●アラビアンナイトとは

004

千夜一夜物語は、アラビア語でまとめられた説話物語集です。千夜一夜物語は、アラビアンナイトとも呼ばれています。初期の翻訳においては、永峯秀樹訳『開巻驚奇 暴夜(あらびや)物語』や、日夏耿之介訳『壹阡壹夜譚』の題名も見られました。

アラビア語名の『アルフ・ライラ・ワ・ライラ』は、alfが「千」、laylahが「夜」の意味で、waが接続詞「と」であるから、一見すると「千夜と一夜」となる。アラビア語独特の数の数え方にのっとって考えると、訳としてはむしろ「千一夜」の方であるが、日本では「千夜一夜物語」の名称の方が普及しています。

また、通称の「アラビアン・ナイト」と言うのは、この物語が初めてイギリスに紹介されたときの題名がArabianNightsEntertainmentsであったこと、また明治初期に本作がアラビア物語などとして翻訳されたことに由来しています。

●内容

 008 010

妻の不貞を見て女性不信となったシャフリヤール王が、国の若い女性と一夜を過ごしては殺していたのを止めさせるため、大臣の娘シャハラザード(シェヘラザード、شهرزاد)が自ら王の元に嫁ぎます。

そしてシャハラザードは千夜に渡って毎夜王に話をしては気を紛らわさせ、終に殺すのを止めさせたという物語が主軸となっています(また、姉のシャハラザードの傍らに、妹のドゥンヤザードもいる)。

話が佳境に入った所で「続きはまた明日」とシャハラザードが打ち切るため、王は次の話が聞きたくて別の女性に夜伽をさせるのを思い留まり、それが千夜続いたという話です。

説話は、冒険商人たちをモデルにした架空の人物から、アッバース朝のカリフであるハールーン・アッ=ラシードや、その妃のズバイダのような実在の人物までが登場し、多彩な物語が繰り広げられます。説話は様々な地域に起源をもち、中世のイスラム世界が生き生きと描き出されています。